2025.10.14
10月3日、修善寺麦わら細工の展示準備・会場設営のお手伝いをさせていただきました。
日本に残る数少ない伝統工芸の継承に、弊社としても微力ながら関わる機会をいただき、心より感謝申し上げます。
今回、天井から吊る展示品の設置を当社が担当させていただきました。
作品の安全を最優先に、建物への負担や鑑賞動線・視認性を考慮しながら、来場者からの見易さや作品の魅力が最も引き立つ角度と高さに調整しています。
麦わら細工には、張り細工(麦の薄片を面に貼る)と、編み細工(茎を編み上げる)があります。
張り細工は兵庫県の城崎温泉などにも伝わりますが、編み細工の特殊技法である「大森編み」は、現在は伊豆修善寺のみで継承されていると伺っています。
伝え聞くところでは、先代の辻 晨吾さんが東海道伝来品の編み細工を分解・研究して再現し、かつて東京都・大森地区で途絶えた技を伊豆から“逆に”伝えに行ったことで、技が現代に蘇ったとのこと。
現在は辻さん親子が、その技と美意識を受け継いでおられます。
光の角度で色と陰影が移ろう麦の茎。
幾何学のリズムと手仕事の温度が、静かな展示空間で凛と浮かび上がります。
会場:沼津御用邸記念公園 西附属邸(静岡県沼津市)
期間:10月29日(水)まで(最新情報は公式案内をご確認ください)
時間:9:00〜16:30(最終入場は16:00まで)
観覧:入園料等が必要です
お出かけ前に、沼津御用邸記念公園の最新情報をご確認ください。
会場外観:西附属邸の落ち着いた佇まいと秋の光。
展示風景:角度で色が移ろう麦わらの輝き。
ハンギング設置:当社が担当した天井吊り展示の様子。
ディテール:編み目と麦の茎が重なる陰影。
※撮影可否・範囲は会場指示に従い、他の来場者・作品保護に配慮ください。
弊社は電気・設備の仕事で「安心・安全」を支えると同時に、微力ながら地域の文化・技の魅力発信にも取り組んでいきます。
今回の展示をきっかけに、修善寺の麦わら細工、そして希少な大森編みに関心を寄せていただければ幸いです。